ホツマツタヱ・ミカサフミ・カクノフミの原文を漢字かなまじり文によって表記する際の漢字表記の問題について、ここで論じる。
原文を表記する際のルール
- 読みやすさを重視して漢字かなまじり文で記す(原文は表音文字「ヲシテ文字」)。
- 格助詞「お、え」は「を、へ」、接続助詞「は」は「ば」に変換している。
- その他、一般的な歴史的仮名遣いにあたるものはそのまま記す。
- 人名はカタカナで記す(表記のゆれは検索の効率を考えて一部修正・統一している)。
- 地名やその他の語については、現行表記や資料における一般的な漢字表記に従う(地名についてはふりがなをカタカナ表記にしている)。
- 漢字表記が定まっていないものについては、あえてカタカナで記す場合がある。
- 濁音にゆれがあるものについては、写本の数が多いほうをとる(同数の場合は濁音をとる)。
特定の語の漢字表記について
アヤとフミ:文と書
アヤは文章のまとまりで必ずしも完結性がないのに対して、フミは完結したものでアヤの上位概念とも読めるので、アヤには「文」、フミには「書」の漢字を当てておく。
なお、アヤには染めたものという意味のアヤもある。文字というより紋様と解釈できる場合には、アヤに「紋」の漢字を当てる。
イ:謂
イには意味の「意」ともとれる用法があるが、おそらくは「言う、謂う」の語幹と思われる(駒形一登「ホツマツタヱ解説ガイド>語源辞書>イ」)ので、「謂」の漢字を当てておく。
カエコト:返事
カエコトの意味から考えれば「返言」であるが、おそらく後世になってカエコトに当てていた「返事」が「へんじ」と音読みされるようになったと考えられるので、ここでもカエコトには「返事」の漢字を当てておく。
マ:間
マには「魔」に通ずる意味があるが、そこには「隙」すなわち「隙間」といった意味があるように思われる。そこで、そのようなマには「間」の漢字を当てておく。
なお、反乱者を意味する「ハタレ(徴れ)」との合成語「ハタレマ」についてはカタカナ表記で、「ヨコシマ(邪)」の短縮語である「ヨコマ」については漢字表記「邪」で記す。