カテゴリー: 海幸山幸
#429 「十二后」再考③
アマテルの「十二后」の三回目。①~⑧までは「東西南北の局」に二人ずつという形で記されていますが、⑨からは「乙下女おしもめ」として記されます。 ⑨〔西の乙下〕トヨ姫アヤコ(=ウケステメ):アマツヒコネ ※津(宮津)⑩〔南の...
#397 地には落ちず空に消なまし
伊勢物語第21段についてもう一点指摘しておきたいことがあります。第21段の冒頭には、「むかし、男をんな、いとかしこく思ひかはして」とあります。男が「うたがひに」と読んだのに対して、女が「中空に」と返したのは、「かしこい女...
#389 国引き神話の「加志」①
前回の考察で「分水界を越えた場所にある最前線拠点」であることがわかった「加志=柏」。そうであれば、出雲国風土記の有名な「国引き神話」にも「加志」が登場することを見逃すわけにはいきません。最初の国を小さく作ったので、よその...
#381 手を折りて(伊勢物語第16段②)
伊勢物語第16段がスガタ姫とホノススミの姉弟を主人公とする説話であることがわかれば、冒頭部分や24番歌の解読の糸口もつかめます。 「三代の帝に仕うまつりて時にあひけれど、のちは世かはり時うつりにければ、世の常の人のごとも...
#377 桑子にぞ(伊勢物語第14段①)
〈むかし、男、陸奥の国にすゞろに行きいたりけり。そこなる女、京のひとはめづらかにおぼへけむ、せちに思へる心なむありける。さてかの女、〉「なかなかに 恋に死なずは 桑子にぞ なるべかりける 玉の緒ばかり」(伊勢物語020)...
#368 関守(伊勢物語第五段)
〈むかし、男ありけり。ひんがしの五条わたりにいと忍びていきけり。みそかなる所なれば、門よりもえ入らで、わらべのふみあけたる築泥のくづれより、通ひけり。人しげくもあらねど、たび重なりければ、あるじ聞きつけて、その通ひ路に、...