九州王権の王都には、その王都を見下ろす場所(原見山)に橘が植えられた。北部九州にはその年代や目的が不明とされる古代列石遺跡「神籠石」が十カ所発見されているが、この神籠石はホツマツタヱに橘を植えた山と記される場所とすべて一致する。≫神籠石リスト
神籠石には分類されていない山の中にも、後世に山城に再利用されるなどして列石遺構の痕跡が消えてしまった例や、当地に列石遺構の伝承が残る例など、橘を植えた山である可能性があるものがある。≫神籠石候補リスト
考古学というより、民俗学の領域になるが、橘/立花という地名が残る場所も、橘を植えた山の場所と一致するので、ここに合わせて挙げておく。≫タチバナ地名リスト
また、「ヤマト」とは「山下」であり、これも「橘を植えた山の麓」という意味であるので、ここに挙げておく。≫ヤマト地名リスト
神籠石(北部九州・50音順)
- 阿岐志城(福岡県筑紫野市阿志岐):安国宮
- おつぼ山神籠石(佐賀県武雄市橘町小野原):相模小野
- 帯隈山神籠石(佐賀県佐賀市久保泉町川久保町・神埼町西郷):伊雑宮
- 鹿毛馬神籠石(福岡県飯塚市鹿毛馬):山手宮
- 高良山神籠石(福岡県久留米市御井町高良山):飛鳥宮
- 御所ヶ谷神籠石(福岡県行橋市津積・みやこ町勝山大久保・犀川木山):日高見
- 女山神籠石(福岡県みやま市瀬高町大草字女山):高田宮
- 唐原山城跡(福岡県築上郡上毛町下唐原・土佐井):蘇佐・常世里
- 杷木神籠石(福岡県朝倉市林田・穂坂):阿波岐宮
- 雷山神籠石(福岡県糸島市雷山):淡路宮・多賀宮
神籠石(九州以外)
- 石城山神籠石(山口県光市石城):周防佐波 ※旧地名は山口県熊毛郡大和町塩田、ヤマト地名あり)
- 永納山城(愛媛県西条市河原津):鳥羽 ※ホツマツタヱでは「阿波」、御伽草子「一寸法師」では「鳥羽」)
神籠石候補
- 立花山城跡(福岡県福岡市東区下原):近江・安曇 ※タチバナ地名
- 日峯山(福岡県北九州市八幡西区浅川日の峯):大日山、日高見・方壺 ※巨石遺跡あり
- 春日山(甘奈備山)(佐賀県佐賀市大和町大字久池井):小塩 ※列石遺跡の伝承、大和地名あり
- 勝山(松山城、愛媛県松山市丸之内):伊予・天山 ※付近に立花地名あり
タチバナ地名(自治体コード順)
- 福岡県福岡市東区・立花山:箱国 ※付近に箱崎地名あり
- 福岡県大牟田市橘:吉野 ※付近に吉野地名あり
- 福岡県八女市立花町:飛鳥宮(初代) ※高良山地名あり
- 福岡県うきは市吉井町橘田:阿波岐宮 ※杷木神籠石あり
- 福岡県糸島市二丈吉井・立花峠:肥根国 ※吉井白山宮の祭神はココリ姫
- 福岡県京都郡みやこ町勝山黒田字橘塚:日高見 ※御所ヶ谷神籠石あり
- 佐賀県伊万里市立花町:越後・弥彦 ※付近に腰岳あり
- 佐賀県武雄市橘町:相模小野 ※おつぼ山神籠石、小野原地名あり
- 熊本県上益城郡山都町橘:紀・竈山 ※付近に椛山地名あり
- 大分県津久見市立花町:千怒 ※付近に千怒地名あり
- 愛媛県松山市立花:伊予・天山 ※付近に天山地名あり
- 愛媛県今治市立花町:二十四県 ※付近に阿方地名あり
- 愛媛県西条市・旧橘村:阿波・伊吹宮 ※南側に伊吹山あり
- 高知県吾川郡仁淀川町橘:阿波(土佐)・青垣殿 ※「青垣」は山間部を指す
ヤマト地名
- 福岡県北九州市小倉北区山門町:厳島宮 ※付近に到津地名、宇佐町地名あり
- 福岡県福岡市西区上山門/下山門:筑紫宮 ※生の松原=壱岐地名あり
- 福岡県みやま市瀬高町山門:高田宮 ※女山神籠石あり
- 佐賀県佐賀市大和町:小塩 ※前漢鏡出土
- 熊本県上益城郡山都町:竈山 ※町内に橘地名、椛山地名あり
- 山口県熊毛郡大和町(現・光市石城):周防佐波 ※石城山神籠石あり