フトマニ暗号一覧

2024年1月23日現在、128首中、34首を暗号として分析。

【フトマニ図】
中央:ア・ウ・ワ
2番目:ト・ホ・カ・ミ・ヱ・ヒ・タ・メ
3番目:ア・イ・フ・ヘ・モ・ヲ・ス・シ(8音)
4番目:ヤマ・ハラ・キニ・チリ・ヌウ・ムク・エテ・ネセ・コケ・オレ・ヨロ・ソノ・ユン・ツル・ヰサ・ナワ(32音、16種)
※3番目と4番目の組み合わせ(8音×16種)による128首

フトマニを

フトマニは んし天神あまかみ トと矛を 授けたまえば 二神も 国土万くにつちよろの 道生みて 君たる神を 生まんとて 一姫三男神ひひめみをかみ 生みまして 知らする国の 政事 御子ワカヒトに 授けます 受けてアマテル 大御神ををんかみ 八百万守やもよろかみに 詔 このフトマニの 四十九よそこヲは 元々明もともとあけの サコクシロ アメノミヲヤに よる形 そばにトホカミ ヱヒタメの 八神は人の 玉の緒を 含み振らせて 永らえを 結びやわせば アイフヘモ ヲスシの神は キツヲサネ 五臓六腑ゐくらむわたを 調えり 三十二の神は 見目形 日夜ひよのまにまに 守らせば このフトマニを もとうらと 万葉よろはの味を かがなえて 試み詠めと 詠ましめて 神は知れをさ 添え削り 百二十八歌ももふそやうた りたまふ もとら伝えの ふみぞ尊き

三輪のスヱトシ


3 アキニ(ア来に)
ア来にとは 東風こちも融け 罪逃る 噤み心の 春ぞ来にけり
アマノコヤネが渡来し(ア来に)、九州王権のもとで永久追放になっていた諸王が赦免された。

10 アオレ(ア折れ)
天折れとは シラヒトコクミ 子と母と よそ女も犯す 名折れなるかな
「天」は女王連合のことをさす。女王連合の名誉を傷つける事件だったとして、シラヒトとコクミが女王連合の一員としてこの事件を起こしたことを伝えている。

12 アソノ(阿蘇の)
阿蘇の代の なる上男鴨かんをかも 隅女鴨すみめかも 分けや帰らん 楽しき(輪)なり
上賀茂トヨタマ姫の男子イナイイと、下鴨(住吉嫡系)タケスミの娘タマヨリ姫が結婚し、カヤとその妻ヤセ姫と継承されて、阿蘇の地でミケイリとヤセ姫の再婚という形で再会した。
「輪」は血統の継承を意味する。

13 アユン(天弓あゆん
ゆんの 豆(忠)にひらき(開き)の 紫や をウツロヰの 春へ引くらん
橘タカヒコネ(天の弓)はその功績を認められて男系子孫を残すためにヨト姫との再婚を許されたが、男子が生まれるまでの間に四姉妹が生まれたことで、橘(ウツロヰ)の隆盛につながったのだろう。≫考察記事【準備中】

14 アツル(天蔓あつる
つるつる)に 位も業も 弓弦ゆつる(譲る)とは 知るも知らぬも 定めつるかな
九州王(位)であっても海洋王(業)であっても、男系が断絶すれば(つる)、王位継承権を失うのは例外のない決まりである。

18 イハラ(イ原)
イの原の 身(ミ)は胤孕む ヒタチ帯 負ひぬ剣の 宝振るなり
アマテル(伊勢)の支持を得たアマノコヤネ(原)の支配のもとで、アメミチ姫が祖父タケミカツチ(ミ、剣)の系譜を女系(ヒタチ帯)でつないで男子カゴヤマを生んだ(宝振る)。

21 イヌウ(犬唸る)
犬唸る 臣は誇りて 子は驕る はやるホトかや 綻びるらん
オオナムチ(犬)の勢いに連合相手のアメワカヒコ(臣)が誇り、クシヒコ(子)が驕り、九州東岸(ホト)の津軽に追放されてしまった。

23 イエテ(ヘソ姫とヨト姫)
いえて錬る 翁が塩も 目一神メヒカミも ヘソヨトも 笑めや得るらん
その功績があったからこそ、男子がなかったタカヒコネ(塩釜)もミホヒコ(アマメヒトツ)も、それぞれヨト姫、イクタマヨリ姫(ヘソメ)と再婚することができて、待望の男子が生まれたのだろう。≫考察記事【準備中】
※ヘソ姫のヘソはミホヒコの都・春日の飛火野丘が「九州のヘソ」にあたるからか。≫ヘ園

26 イオレ(イ折れ)(代々の神風)
イの折れを サルタが取りて 神楽獅子 横間を晴らす 代々の神風かんかぜ
イフキトヌシ(イ)の婚約者をサルタヒコが奪う形になったが、そのことによって旧勢力の海洋王(タケミカツチとフツヌシ)を排除することができた。
なお、ウズメと結婚したサルタヒコは既婚者で再婚だった。代々の神風とするのは、オオナムチ、アマテル、アマノコヤネ、サルタヒコがいずれも再婚だったことをさすか。≫代々の神風

28 イソノ(イ園)
イの園は 柳桜の 如よりも 霞に桃の 花や惜そらん
アマテル(伊勢=イ)の近くには、ソサノヲの子孫タカヒコネ(柳)とホノススミ(桜)より、新渡来王アマノコヤネ(霞)とサルタヒコ(桃)がふさわしい。
表面的には、女子の園では食べられない柳や桜のようなものよりも、霞草や桃のように食べられるもののほうが人気がある、すなわち「花より団子」という意味を装っている。

29 イユン(イゆん
イのゆんの アタは橘 は桜 病むもシナトの イゆんなすなり
ホノススミの系譜(アタ)は娘ミチツル姫(女は桜)をシイネツヒコ(橘)に娶られ吸収されたが、とって代わるようにイフキトヌシ(イ)の子孫ミカシヤ姫とニギハヤヒの子ウマシマチ(イ弓)が勢力を伸ばした。

30 イツル(イ蔓)
イのつるは ハヤコが大蛇おろち 祀られて なるイワナガも 操は堕ちつる
イサナギ(イ)の子孫のうち、ソサノヲはハヤコを復権させて結婚しアメワカヒコが生まれたが、その女子イワナガ姫も女王に即位することができず、嫡系は衰退した。

34 フハラ(フ原)
フの原の 宮は宝を 孕ませて 慕うホツマの 民ぞ生みける
原の宮(長崎県南島原市・原城跡)にいたワカ姫(フ=ニフの神)の系譜(ミシマミゾクイ)は、タマクシ姫(宝)をツミハと結婚させて、クシミカタマとトカクシ(ホツマの民=北東部九州に移った海洋王族「蝦夷」と「伊勢」)を生んだ。

37 フヌウ(フ縫う)
フに縫うは 女無き紅葉の 梅の花 流離病さすらやまひも フにぞ縫ひける
后のないまま(女無き紅葉)宇土に配流されていたホノアカリは、ミシマミゾクイが四国に配流された後の原の宮(フの宮)で、カツテの娘タマネ姫(梅の花)と結婚して復権した。

42 フオレ(フ折れ)
フの折れは 天の祟りの 氷踏む 事の始めも 踏みや恐れん
ワカ姫(フ)の系譜の失脚は、タチカラヲがタケミカツチを排除したところから始まった。
※「タケミカツチの手が氷になる」という古事記の暗号はこの記述をもとにしている。

44 フソノ(フ園)
フの園は ヲコヌの神の 蚕飼いして(子介して) 名も肥国こえくにの フ園得るなり
ワカ姫(フ)の系譜は、ミホヒコ(大国主)の子ツミハ(出自は偽装。本当はサルタヒコとウズメの子)を介して(ワカ姫の曽孫タマクシ姫が結婚して)トカクシに継承され、北西部九州(肥国こえくに)を治めることになった。

46 フツル(フ蔓)
フのつるとみも呼び鳴き 鳥餌とりゑ並み たつ華やかの ゐもや継ぐらん
ワカ姫(フ)の系譜はミシマミゾクイの時に男系が断絶し、ハツセ姫をホノアカリと婚約させたが、アメミチ姫との婚姻争いに破れ(臣も呼び鳴き)、ついには四国に追放されてしまった(鳥餌並み)が、女王連合の一員としての血統はトカクシの時には橘(華やか)の系譜の女王(妹)アサ姫、ミチヲミの時にはカゴヤマ(竜)の系譜の女王(妹)イヒカ姫との婚姻によって引き継がれた。

49 ヘヤマ(ヘ山)
への山は 后操の さわ待ちて 待つも終えれば 四十物あいものの山
春日国の御笠山(ヘソの山)のミホヒコは、シラタマ姫(后)の離縁問題(操の騒)の解決を待って、妾としてイクタマヨリ姫を迎えた。
ホツマツタヱ15文に「あいものの魚は四十あり」の記述がある。四十よそには「よそ者」の意味も掛けている。≫関連記事

50 ヘハラ(ヘ原)
への原は はたりに なづらえて 嗣子つぎこわざも 孕むなりけり
春日国(への原)のミホヒコは、他の連合の破綻により廃位となった元女王と再婚して、嗣子をもうけただけでなく、その子フキネがトカクシの娘サシクニワカ姫と結婚して海洋王との連合も実現した。
はたり」の解釈は駒形による。≫「ホツマツタヱ解読ガイド>はたまさゆり

52 ヘチリ(へ散り)
ヘの散りは 月火つきほも臣も 民業も 妻のうつくに 病みや散るらん
春日国の危機(ヘの散り)は、ミホヒコ(月火=月を照らす太陽)とイクタマヨリ姫(臣)に対するシラタマ姫(妻)の寛容な対応により回避することができた。【要検討】

53 ヘヌウ(ヘ縫う)
へに縫うは 政執る身(ミ)の 紫ぞ 諫め尽くせば 民ぞ縫いける
天坂(ヘ=ヘソ)で九州を治めたミホヒコ(身)はイクタマヨリ姫(民)を後妻に迎えた(紫)ことで男系の断絶を免れた。≫考察記事【準備中】

54 ヘムク(ヘ向く)
への向くは 三種宝に 坂知りて 民も南に 向くぞ尊き
春日国(ヘ)は九州女王連合(三種宝)の頂点に立って、天坂(針摺=福岡平野と筑紫平野の谷中分水界)を支配し、在来海洋王フツヌシはアマノコヤネの本拠地・島原半島に遷された。【検討中】

55 ヘエテ
へのエテは 水に溢るる 国政 猫に恵みの 返て噛まるる
大物主(ヘ)の国政は海洋王に翻弄されたが、ついには海洋王から四国王へとのし上がったトカクシ(猫=名護屋)との連合の結果、男系が断絶することになってしまった。

60 ヘソノ(ヘ園)
ヘの園は 玉に潤す 政事 糧足る園は 行くも安らか
春日国(ヘソ)はイクタマヨリ姫の再婚(玉に潤す)によって男子が生まれ、「行き交い坂(九州の中央、福岡平野と筑紫平野の分水界)」にある「安国宮(東小田遺跡)」に近い場所・飛火野丘(二日市峰畑遺跡)も安泰である。≫ヘソ姫とヨト姫

61 ヘユン(ヘゆん
ヘのゆんは 魚も子を生み 秋下る 望みの矢先 星を過ごすな
ミホヒコ(魚)はソサノヲ嫡系のスガタ姫(イクタマヨリ姫)を後妻にとってカンタチ(ヘソ(春日国)の弓)をもうけたが、秋にはスガタ姫の宮からカンタチを出した。スガタ姫の功績は甚だしいが、妾(星)は連合相手ではないので、その場所に子が長く留まるのはよくない。≫「妾女は 星になぞらふ 星光 月に及ばず 美しも 宮にな入れそ」(13)

62 ヘツル(ヘ蔓)
ヘのつるの 煤に潤す オオナムチ 宮もふくしも 噤みしの花
大物主(ヘ)の男系断絶(つる)によって、火山災害の復興地に作られた(煤に潤す)オオナムチの都(津軽大元宮=宇佐神宮)は、配流された(噤みし)橘(花)のものとなった。
※「ふくし」とは「垣」のことである。≫「五臓六腑」

74 モオレ(モ折れ)
モの折れは 矛の響きを 畏れみて 四十日よそかを言わず 見ず聞かずおれ
物主(モ)のフキネに男子が生まれなかった時、九州側から何らかの提案をすることは山陰(矛)の反発を招く恐れがあるので、山陰側から動きがあるまでは動かないほうがいい。
四十日よそかを言わず」は「他所よそから言わず」と掛けている。
フキネの後継問題がオオナムチの先御霊からの助言で決まったというくだりは、クシミカタマによる物主継承は山陰側からの提案だったということを知らせるものであろう。≫「子無きが故に 乱るるぞ 事代主が 兄弟の子の クシミカタマを 乞い受けて 嗣となすべし」

78 モツル(モ蔓)
モのつるは 真榊花の 功しも アタの病も 元に還えつる
物主(モ)の男系の断絶(蔓)によって、橘の女王アサ姫の女子サシクニワカ姫が女王に擁立されたこと(花の功し)も、ホノススミ(アタ)の追放(病)も、すべて台無しになった。

87 ヲエテ(鴨慕う)
治め得て トに潤せば 鴨慕う まして民親 終えてなつらん
アマノコヤネが九州(ト)を平和裏に再編し、タケミカツチに男子がなかったことによってカナサキの嫡系となったハテスミ(鴨)がサルタヒコと連合を組んだ。タケミカツチ(民親)も男系の断絶を認め、ハテスミとサルタヒコに全権を委譲した。

90 ヲオレ(ヲ折れ)
ヲの折れは 曇る鏡も あからさま 折れずば鼠 なこや噛むらん
「ヲ折れ」とは大国主(ヲ)の地位にあったカゴヤマ(浦島太郎)の宇土への追放。同じ時に壱岐に配流されたイナイイ(鼠=住み)の反乱への備えとして、オシクモ(曇る鏡)がトカクシを次の大国主に任命し、名護屋(なこや、唐津市鎮西町名護屋)に派遣した。これで壱岐のイナイイが九州本土を脅かすことはないだろう、という意味。≫「桃太郎」 ≫「かごめかごめ
大物主と大国主は混同されがちだが、大物主は山陰の在来王族の代表、大国主は九州連合同盟の軍最高司令官の地位。

94 ヲツル(ヲ蔓)
鬼(ヲに)つるの 政は花の 香に残り 病む貧しさも 鬼や作らん
男系断絶の危機(つる)にあるホノススミをめぐる王位継承争い(政)は、橘のスセリ姫との間に女子(花の香)が生まれたことで、さらに深刻なものになり(病む貧しさも)、鬼を作り出してしまった。

104 スネセ(スヘヤマスミ)
スのネセは スヘヤマスミの 神祀れ 妻の操も 妬みねせれば
スヘヤマスミ(サルタヒコ)が妻の操が立たないとされたオキツヒコ(オオトシの子とされる)であることを示す。オキツヒコにはミホヒコも融合されており、妻(シラタマ姫)の操が立たないのはミホヒコである。≫隠語「ヤマサ神>スヘヤマスミ

108 ス園
スの園は 桃を賜る 西の母 こえ楽しみの 深き寿ぎ
住吉(ス)から桃(九州の海洋王の頂点の地位)を譲り受けた西の母(ウケステメ=サルタヒコの娘)とハテスミの婚姻は、後にこえ(九州北西部)を治めることになる意義深い婚姻だった。

125 シユン(シ弓)
シの弓は 新屋産屋の 襲われも 蟇目鏑ひきめかぶらの シ弓なすなり
大王に擁立されて多賀(新屋)に遷ったウカヤフキアワセズ(産屋)を襲ったのは、オオトシ(シ)の孫タマネ姫(蟇目鏑)の子ニギハヤヒ(シの弓)である。≫ヒキメ(アカメ)


【更新履歴】

  • 隠語の解釈変更に伴い、29イユン、46フツル、125シユンの解釈を変更(2023.07.27)